監督コラム❷
【監督コラム第2回】2018.11.4
~原案~
ユリー・シュルビッツの美しい絵本『よあけ』と出会い、「こういう映画をつくりたい」と思ったものの、どこから手をつけるか…
とりあえずは改めて『よあけ』を手に取ってみる。
調べるとこの絵本には原案があり、それは唐の時代の柳宗元(りゅうそうげん)という人の『漁翁(ぎょおう)』という詩である、と。
◆漁翁(訳)
年老いた漁師が、夜になると、西岸の大きな岩に舟を寄せて停泊した。
明け方に彼は清らかな湘江に水をくみ、楚の竹を燃やして朝食を作る。
やがてもやが晴れ太陽が昇ると、もはや漁翁の姿は見あたらない。
舟をこぐかけ声がひと声高くひびいて、山も水もあたりはすべて緑一色に染まっている。
空の果てを遠くふり返りつつ、川の中ほどを下って行くと、
雲が大岩の上空に、無心に追いかけあっているように流れていた。
(公益社団法人関西吟詩文化協会HPより引用)
なんと豊かな情景!この詩を読んでさらにイメージが膨らむ!のだが…
つづく