yoakenokantokkのブログ

よあけの焚き火の監督ブログ!

監督コラム❹

【監督コラム第4回】2018.11.6
〜なぜむずかしい〜
M氏が『よあけ』の映画化が難しいと言った理由は実に明快だった。
絵本『よあけ』の素晴らしさは何と言っても夜明けの瞬間、劇的に変化する色彩、その描写である。ほとんどすべてがそこに集約されている。
だから僕の映画もラストシーン、あるいは一番のハイライトはそんな夜明けのシーンを想定していた。M氏は決して「できない」とは言わなかった。しかし非常に難しいと言った。
氏曰く、「絵本『よあけ』の素晴らしさは十分わかる。土井君ががこれをやりたいという気持ちもよくわかる。だが君のイメージしているような劇的な夜明けを、その色彩を、実際の撮影で狙うこと、再現することはなかなかできない。
一年間、毎朝日の出を狙っても撮れないかもしれない。そのくらい『自然』そのものを撮る事は難しい。だから、『ストーリー』が大事なんだよ。誰にとって劇的な夜明けなのか。その人物に何が起こったから劇的な夜明けなのか。それがきちんと描ければ、夜明けそのものの風景なんか撮らなくたって、人物の表情一つだけでも、土井くんが撮りたかった夜明けの何倍もすごいものが撮れるんだよ」
しまった。。映画学校の1年生に引き戻されたような感覚。
それもそのはず、次回からは少々脱線してM氏との因縁浅からぬ仲を…
つづく

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